特定活動ビザ 家事使用人・メイド
日本で働く家事使用人(メイド、ハウスキーパー、家政婦、お手伝いさん)の方に特定活動ビザが許可される場合があり、いずれも特定活動告示で規定されています。
本来、日本の労働市場は家事使用人のような高度のスキルを必要としないと考えられている職業(俗にいう単純労働の労働者)には門戸を開いていませんが、諸外国においては高度のスキルを持つ高額所得者であるほどこれらの家事使用人を雇用する社会環境があり、これら家事使用人の受け入れを日本が全く認めないと、高度のスキルをもつ人材も日本に滞在してくれないという不都合があります。
そこで高スキルの人材を日本に呼び込むことを目的として、一部の在留資格をもつ方に雇用される場合には家事使用人に在留資格が許可される場合があります。
家事使用人の特定活動ビザの共通ポイント
ポイント①:日本人に雇用される家事使用人は対象外です。
上記の趣旨(高度のスキルをもつ外国人の呼び込み目的)から、日本人に雇用される家事使用人は特定活動ビザの対象外であり在留資格は許可されません。
ポイント②:家事使用人のまま長期滞在しても永住者になれません。
同じく上記の趣旨(高度のスキルをもつ外国人の呼び込み目的)から、家事使用人が家事使用人であることを理由に特定活動ビザで日本に滞在している限り、永住者への道は制度的に開かれていません。もちろんはじめは家事使用人の在留資格だった方が他の在留資格へ変更してその後日本滞在を続けた場合は永住獲得への道が開けます。
ポイント③:永住者の家事使用人には許可されません。
少々おかしな制度設計と思いますが現在「永住者」の在留資格をお持ちの方は、たとえかつて在留資格「経営・管理」「法律・会計業務」「高度専門職」を保有されていた方であったとしても雇用主として対象外となります。
家事使用人の特定活動ビザの類型
Ⅰ 家事負担お困り型:雇用主が経営者、弁護士・会計士、高度専門職等
まずこちらの類型は、雇用主として3つの在留資格の保有者が想定されています。
本サイトでは“家事負担お困り型”と名付けましたが、一般家庭より家事量が多くなる13歳未満の子供を養育している場合か、または配偶者が病気などで家事ができない場合のいずれかである必要があります。
【雇用主の在留資格】
①申請時に世帯年収が1000万円以上ある高度専門職外国人
②経営・管理の在留資格をもつ事業所の長又はこれに準ずる地位にある者
③法律・会計業務の在留資格をもつ事務所の長又はこれに準ずる地位にある者
【雇用主の条件:①は必須、②または③のいずれか】
①申請人以外に家事使用人を雇用していない
②申請の時点において、十三歳未満の子を有すること
③病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること
【家事使用人の条件】
①雇用主の使用する言語で日常会話ができること
②18歳以上であること
③月額20万円以上の報酬があること
Ⅱ 継続雇用型:雇用主が高度専門職に限定
こちらは高度専門職外国人のみを雇用主として想定している類型です。
本サイトでは“継続雇用型”と名付けましたが、たとえ家庭に養育すべき小さなお子さんおらず、または病気等で家事ができない配偶者がいらっしゃらない場合であっても、来日前から雇用しているなじみの家事使用人がいる場合には一緒に帯同することができます。
家事使用人は日常の家事の手伝いをする人ですので、当然のことながら職場は雇用主の自宅となります。雇用主にとって家事使用人は自宅に出入りし、料理をし、子供の面倒を見てくれる人ですから、これまで外国で雇用してきた信用できる方がいるのであればその方を一緒に日本へ連れてきたいと考えるのはごく普通と言えるでしょう。その要望に道を開く措置と言えます。
【雇用主の在留資格】
①申請時に世帯年収が1000万円以上ある高度専門職外国人
【雇用主の条件】
①申請人以外に家事使用人を雇用していない
【家事使用人の条件】
①雇用主の使用する言語で日常会話ができること
②18歳以上であること
③月額20万円以上の報酬があること
④継続して1年以上雇用されているものであって、雇用主と共に入国し、
雇用主とともに日本から出国することが予定されているもの